雷神の後継者たち

封牙舞
立花道雪、高橋紹運、立花宗茂、立花ァ千代、この4人を主人公とした小説を書こうとして頓挫した事があります……でも、小説の主人公にしたいと思うほど、この4人は魅力的な存在だったのです。

御剣神楽
「雷の化身」と呼ばれた名将立花道雪の娘ァ千代、アクションゲーム「戦国無双2」にも登場するこの女武者は、他の女性キャラクターがゲーム上こじつけで武将になっているのとは異なり、史実で実在した姫武将ですね。
実際源平時代の巴御前のほかにもこの立花ァ千代、そして岩村城の悲劇の女城主おゆうの方等、姫武将は数名存在していました。

御剣刹那
といっても……ゲームの様に自ら刀(雷切)を振るって戦った訳ではなく、実権は立花道雪が相変わらず持ち、娘はあくまでも嫡子に恵まれなかった道雪が家督を継がせたお飾りな存在だったからね。
戦国無双といえば、あのゲームの歴史考証とか世界観について指摘するレビューが多いね……戦国無双は歴史SLGじゃなくて、アクションゲームよ、別に時間軸に問題があっても政宗が眼帯からビーム出してもいいじゃない……と思うけどなぁ〜

御子神黄泉
明智光秀や森蘭丸が一部のお姉さま方をターゲットとしたキャラデザインなのも?

御剣刹那
ごめんなさい……ムービーみてて「さすがにやりすぎ」って思いました……

御剣神楽
そういえば刹那は、信長の野望【覇王伝】で前田慶次が戦闘100の武将で登場したのは納得いかなかったけど、アクションゲームの戦国無双で前田慶次が最強キャラとして登場するのは別に気にしなかったみたいだしね。

御子神黄泉
私はアクションゲームとしてなら三国無双2が一番面白かったと思うがな……
(注:この時点で無双はまだ無双3、戦国1までしか出ていません)

封牙舞
えっと……無双シリーズはまた別の機会に席を設けるとして……高橋紹運の息子宗茂は、このァ千代と結婚し、立花家の養子となりました。
この時、父紹運は、息子に「この戦国の世、もし実の父(紹運)と育ての父(道雪)が敵対する事態が起きたら、お前は迷わず育ての父を選べ」と送り出したといいます。

御剣刹那
実際はこの2人が対立することはなく、2人は武闘派として主君大友宗麟を支え、合戦で数々の武功を残しているよね。立花宗茂も数倍の敵を夜襲で撃退する等、2人の父の名に恥じぬ戦いぶりを見せた。

御剣神楽
やがて島津家との決戦が起こると、秀吉軍が到着するまでの時間を稼ぐため、高橋紹運は宗茂の制止を振り切って岩屋城に篭城、僅か800人で島津軍5万を相手に奮戦し、全員が玉砕します。
しかしこの間に秀吉軍が到着、岩屋城は立花宗茂が奪還し、島津家も秀吉の圧倒的兵力の前に全面降伏となり、九州統一が秀吉によって成されました。

封牙舞
後に秀吉は徳川家康の忠臣「本多忠勝」と立花宗茂を呼び寄せ、「東国一の武者本多忠勝、西国一の武者立花宗茂」と二人を対面させたことがあるといいます。

御子神黄泉
関ヶ原の戦いで宗茂は西軍を選んだ為、戦後領地を没収されて流浪の身となるが、10年近い浪人生活を経て大坂の陣での勲功から領土を貰う。関ヶ原で西軍に組しながら大名に返り咲いたのは、おそらく彼だけだろう。

御剣刹那
さて、西国一の武者宗茂と、雷の娘ァ千代の関係だけど……二人とも武者という言葉が似合う豪の者で、ァ千代自身戦場に立つ訳ではないけど、かなり気性の激しい姫だったみたい。
これがドラマか漫画なら相思相愛となって二人で馬を並べて走らせそうなところなんだけど……残念ながらあまりにも似すぎたのが仇となってか、史実での二人は完全に別居状態の冷え切った夫婦関係だったみたい。