封牙舞 |
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歴史の資料にドラマの様な感情はほとんど残されていません。
何年に誰が何をしたか、客観的な情報しかありません。 |
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御剣神楽 |
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しかし、その資料を並べた時、想像に過ぎないとはいえ、そこには「ドラマ」が生まれてきます。
今日は、そんな「単なる想像かもしれない」物語をお送りしましょう…… |
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封牙舞 |
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武田信玄の娘である松姫は、織田家と武田家がまだ敵対関係になる前の時代、政略結婚として織田信長の嫡子信忠と婚約しました。 |
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御子神黄泉 |
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この時松姫は7歳、信忠は11歳。
当然本人たちの意思などお構いなしの政略結婚、二人は直接体面すらしたことはなかった。 |
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封牙舞 |
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しかし、この二人の婚姻はついに結ばれることはありませんでした。 |
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御剣刹那 |
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武田信玄が京を目指して出陣、これに織田が立ちはだかった為、両家の関係は悪化、自然と松姫の婚約も破棄されることとなったんだよね。 |
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御剣神楽 |
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ところが、信玄はその翌年に死去、あとを継いだ勝頼の愚挙により武田家は天目山にて滅亡します。 |
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封牙舞 |
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松姫は武田の旧臣が多く住む武州恩方(現在の東京八王子)へと逃れて静かに暮らしていましたが、松姫が生存していると知った信忠は、改めて妻として迎えたいと使いを出しました。 |
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御剣刹那 |
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ここで信忠が松姫に使いを出したというのは、ちょっと話が出来すぎなので、あまり信憑性を感じませんが、江戸時代の史書によると、武田家滅亡直前、二人が密かに逢引をしようと計画していたというものも発見されたそうです。 |
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御子神黄泉 |
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ん?…「出来すぎな話=創作」は反対じゃなかったのか? |
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御剣刹那 |
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ん〜……でも、さすがに「一度も直接顔をあわせていない二人」がそこまで想いあえるかな?信忠にしても信長の後継者なんだから、正妻にも側室にも不自由しなかっただろうし…… |
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御子神黄泉 |
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ところが、織田家の跡継ぎでありながら、信忠は側室こそいたが、正室の席をあえて空けているのだ。その理由はわからないが、もしこれが「幻の妻、松姫のため」だとすれば………家同士が敵対すればするほど当人たちが燃える、ロミオとジュリエットを彷彿とさせる関係だったかもしれないな。 |
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封牙舞 |
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松姫からの返事でも残っていればよかったのですが………残酷なことに彼女からの返事を待つより先に、二人を永遠に引き裂く「本能寺の変」が勃発、信忠は京で明智光秀の軍勢によって最期を迎えます。 |
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御剣神楽 |
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松姫はそのまま出家して尼となり、生涯結婚せず、姪達を育てつつ近隣の子供たちに手習いを教え、土地の人々から慕われる存在となりました。 |
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御子神黄泉 |
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出家した名は「信松尼」……この「信」は、はたして父信玄の信か、それとも…ついに結ばれなかった幻の婚約者信忠の信か…… |
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封牙舞 |
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史書には松姫の心の中までの記述はありません、でも……「信忠の死後出家」「生涯独身」「信松尼という名」これらのキーワードを繋ぎ合わせると、「ドラマ」が見えてきませんか? |
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御剣神楽 |
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松姫が子供達に手習いを教えていたお寺ですが、後にその意志をついで「まつひめ幼稚園」となりました。しかし、少子化の影響により現在は既に閉園されているそうです。 |
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